音楽による食欲への影響とは
人々が食べ物を「美味しい」と感じる要因は、食べ物そのものの味や香りだけではありません。綺麗な盛りつけや、食事をするときの周辺環境(照明や演出)など、さまざまな要因が関係しています。
とくに食事をするときの周辺環境は食欲に強い影響を与えるとされ、「空間の印象評価に及ぼすBGM のジャンルと照明の光色の相互作用的影響」という文献によると、空間の居心地を決める要素としてBGMが最も効果的だと示しています。
普段の生活でも、聞く音楽の種類によって心が穏やかになることもあれば、元気で活発な気分になることもあるでしょう。人間は、知らず知らずのうちに音楽からさまざまな影響を受けていることがわかります。
食欲を増進させる音楽のジャンルは?
音楽には「ロック」「クラシック」「バラード」など多彩なジャンルが存在していますが、食欲を増進させる働きがあるとして注目されているのは「クラシック」です。クラシックは、穏やかな楽曲が多いことが特徴的です。クラシック音楽を聞きながら食事をすることで食欲が増すだけではなく、食事をより「美味しい」と感じられるようにもなるといわれています。
一方、ロックなど比較的激しい音楽を聞いた際には食欲の減退が確認されています。飲食店でBGMを流すときは、音楽のジャンルや楽曲のテンポに注意しましょう。
食欲をそそる音楽はモーツァルト?
クラシック音楽には食欲を増進させる効果がありますが、なかでも注目されているのが「モーツァルト」の音楽です。
モーツァルトの音楽をかけると唾液の分泌量が増加し、食欲増進につながることが研究結果から明らかになっています。
とくに、モーツァルトの「アイネ クライネ ナハトムジーク」という楽曲は脳によい影響を与えるという結果がでています。飲食店のBGM選びにお悩みの方は、「アイネ クライネ ナハトムジーク」をはじめとしたモーツァルトの楽曲を選ぶことをおすすめします。
クラシック以外の音楽でも「自分が好き」と感じる音楽を聞きながら食事をすることで、目の前の食べ物を「好き」と感じやすくなる傾向があるといわれています。
ご紹介したように、一般的には「食欲増進のためにはクラシック音楽が良い」とされていますが、飲食店のターゲット層に合わせて流行りの楽曲や年代に合った楽曲などを選ぶのも効果的です。
食事の場に適切な音楽を選ぶ方法
音楽によって食欲の増減が確認されていることから、店舗でのBGMを意図的に変えることでお客様の食欲をコントロールしやすくなるともいえるでしょう。
前述で「クラシック音楽が食欲増進につながる」とお話しましたが、経営者自身がクラシック音楽を好まない場合や店舗の雰囲気に合わない場合はどうすればよいのでしょうか。
ここでは食欲増進につながる音楽について、さらに詳しくご紹介します。
食欲UPには優雅な音楽がよい?
日本家政学会が行った調査によると、食欲の増進は「優和性」「高尚性」の高い音楽を聞いたときにみられたという結果が報告されています。
「優和性」「高尚性」が最も高い音楽ジャンルはクラシックで、逆に「激しい曲調の洋楽」では優和性が低いという特徴が明らかになりました。
この調査結果から、食欲を増進させたい場合には「クラシック音楽」または「優雅な音楽や洋楽」を選ぶのがよいと考えられます。店舗の雰囲気によってクラシック音楽が合わないと感じる場合は、穏やかで優雅な楽曲を中心に選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回は、飲食店においてBGMでお客様の食欲をコントロールできるのか、そして音楽のジャンルや曲調によって食欲の増減が変化するのかなど、調査結果をふまえてご紹介しました。
音楽は上手に利用すれば食欲増進につながるだけではなく、食べ物を美味しいと感じる味覚自体にも大きな影響を及ぼします。より充実した食事の場を提供できるように、飲食店のBGMには優雅な音楽を積極的に利用してみましょう。
和食レストランや割烹におすすめのBGMを知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
BGMによる食欲コントロールについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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