iPadを使って店舗BGMを流す際に必要な手続き
店舗の雰囲気を決めるBGM。iPodやiPadなどのモバイル端末を使って音楽を流している店舗もありますが、自分で購入した曲であっても店舗BGMとして利用するためには手続きが必要です。さらに、デジタル音楽プレーヤー(iPadなどのMP3プレーヤーほか)、携帯電話やパソコンに取り込んだ音源(録音物)を使用する場合でも、複製使用の手続きをしなくてはなりません。
以下、JASRAC(日本音楽著作権協会)を例にあげて、各種手続きの方法と手続きにかかる費用をご紹介します。
ただし、複製利用の申請は音源提供事業者にとってすら手間がかかる作業です。個店での手続きはさらに煩雑で時間がかかる上に、料金面では多くの場合はCDを複数枚買う方が安くなります。そのため、基本的にはおすすめしません。
店舗BGMの利用手続き
著作権の利用手続きについて
購入した市販のCDを店舗BGMとして利用する際は、著作権の利用手続きを行いましょう。
JASRACで利用を申し込む場合は、「BGM利用申込書」を記入して提出します。申込書の様式を入手する方法は、サイトからダウンロードするか、JASRACの各支部へ連絡して郵送してもらうかの2パターンです。また提出方法は、FAX、郵送、支部の窓口に提出のうち、いずれかの方法を選択できます。
申請手続きが完了すれば、JASRACから許諾書と請求書が届くため、口座振替か振込払いのどちらかを選択して支払いを行います。ただし、口座振替を希望する場合は、FAXでの提出ができないので郵送か窓口へ提出しましょう。
複製利用の手続きについて
CDやダウンロード音源などを他のCDにコピーしたり、iPadなどの端末に音源を取り込むのは複製行為に該当します。複製は私的利用の範囲内では許可されていますが、店舗BGMとして使用する場合は営利目的に分類されるため、JASRACなどの著作権管理事業者と、著作物を人々に伝達するレコード製作者、放送事業者などの著作隣接権者の許可を得なければなりません。例えば、レコード会社への申請は各レコード会社のホームページで音源の使用申請を提出します。
各種手続きに必要な費用
店舗BGMに利用する際の費用
JASRACに支払うBGM使用料は、店舗面積と契約期間によって決まります。面積の区分は「500㎡まで」「1,000㎡まで」「3,000㎡まで」「6,000㎡まで」「9,000㎡まで」「9,000㎡を超える場合」の6つから、契約期間は「年額」「1ヵ月」「1曲1回」の3区分から選べます。
例えば面積区分が500㎡とした場合、年額使用なら6,000円、1ヵ月の使用なら1,200円、1曲1回の使用なら2円となります。
複製利用の費用
レコード会社に支払う複製利用の費用は、会社によって金額が異なります。利用用途によっても金額は異なるため、各会社に確認してください。
JASRACに支払いをせずBGMを流す方法
店舗BGMの導入を検討している方のなかには、「申請や支払いするのは面倒」という方もいるかもしれませんが、すべての曲に申請や支払いの義務があるわけではありません。
以下、JASRACの許可を必要としないケースを注意点とあわせてご紹介します。
テレビやラジオ
テレビやラジオで放送されている番組は、店内で流す場合のみ著作物使用料が発生しません。しかし、録画・録音したものを店舗BGMに使った場合は複製使用にあたるほか、インターネットラジオは原則手続きが必要になるため注意しましょう。
著作権がない曲
「著作者の没後70年が経過した曲」「古くから歌い継がれた民謡や伝承音楽」などは、著作権が消滅した、または著作者が存在しないため、JASRACなどに許可を取らなくても店舗BGMに使用できます。ただし前者に関しては注意が必要です。
一般的に、古い音楽=クラシック音楽を思い浮かべる方もいるでしょうが、クラシック音楽の中には新しいものもあります。例えば、運動会の定番曲である「剣の舞」を作曲したアラム・ハチャトゥリアンが亡くなったのは1978年であり、2018年時点では没後70年が経過していないため利用手続きを行う必要があるのです。
なお、著作権はなくても著作権隣接権はあるというケースが多いため、その点も注意して楽曲を選びましょう。
著作権フリーの音楽
著作権フリーの楽曲のみを収録したCDや、音楽フリー素材サイトで販売・配布されているダウンロード音源は、JASRACなどの許可を取る必要がありません。しかし著作権フリーの音楽は選べる曲が限られるため、自分の好きな音楽をBGMに使用できません。また曲によっては店舗の雰囲気に合わないこともあるため、使用する際はこれらに納得したうえで使いましょう。
有線放送やBGM用音楽配信サービス
有線放送やBGM用音楽配信サービスは、サービス利用料に著作権使用料が含まれています。JASRACへの申請や支払いなど、面倒な手続きはすべて業者が行ってくれるため、手間なく豊富な楽曲をBGMに使用できます。
おすすめはUSENのOTORAKU
株式会社 USENが提供している「OTORAKU -音・楽-」は、iPadやAndroid OSなどのモバイル端末で利用できる音楽配信サービスです。著作権に関する面倒な手続きが不要ですので、煩雑で時間のかかる複製利用の申請をするよりも、簡単にBGMを流すことができます。配信されている楽曲の幅も広く、国内のメジャーレーベルはもちろん海外のインディーズまで、幅広くカバーしています。。
業務用なので、検索カテゴリは音楽ジャンルだけではなく、業種や時間帯、雰囲気などのカテゴリからプロが作成したプレイリストを用意しているため、空間にマッチしたBGMを誰でも簡単に流せます。こだわりのBGMを流したい方は、自分で選曲をしたプレイリストをつくれるので便利です。
「OTORAKU」では無料トライアルができるので、店舗BGMでお悩みの方はまずは気軽に「OTORAKUを試してみるのもよいでしょう。