JASRACが法的措置をとった3つの事例
使用料を支払わずにBGMを流していた施設に対し、これまでにJASRACは様々な法的措置を取ってきました。以下では、喫茶店、スナック、美容室などが対象となった事例をご紹介します。
事例1:自分で購入した音楽CDをかける
お客様にリラックスしてもらうため店内の雰囲気作りが重要となる喫茶店では、BGMが必要不可欠です。そこで、とある喫茶店では経営者が自分で購入した音楽CDを音楽プレーヤーで流すことにしました。しかし後日、著作権管理団体から使用料の催促の郵便物が届いたのです。
このケースでは、喫茶店の経営者はJASRACに著作権使用料の支払いの手続きを行わなければなりません。なぜなら、経営者が購入したのは"CD本体"であり、"音楽"ではないためです。音楽の著作権は作曲者本人が有していますが、作曲者から依頼を受けた場合はJASRACが管理します。したがって、JASRACに使用料の支払いをせず、音楽CDを喫茶店のBGMに使用することで、著作権侵害とみなされてしまうのです。
事例2:ピアノやカラオケなどの生演奏を行う
スナックの中には、BGMとしてピアノの生演奏や生歌を披露するところもあります。しかし、とあるスナックでピアノの生演奏を披露したところ違反とみなされ、刑事告訴をされてしまいました。
実は、著作権使用料の支払いの対象になるのは、音楽CDなどの音源だけではありません。ピアノの生演奏やカラオケ、ライブなども対象で、支払いを怠ることでトラブルへと発展する恐れがあるのです。
事例3:ネットでダウンロードした音楽を流す
2015年6月に、JASRACが171事業者、258施設に対して全国15簡易裁判所に民事調停を申し立てるという事態が発生しました。申し立てをされた美容室や喫茶店では、音楽CDをBGMに使用している他、パソコンや携帯でダウンロードした音楽もBGMに使用していたそうです。
著作権使用料の支払いの対象には、ネット上でダウンロードを行う音楽も含まれています。購入した音楽CDをかける場合とは違い、"音楽"を購入するのだから問題ないと考える方もいるかもしれませんが、前述した通り音楽には著作権があります。したがって、CDに収録されている音楽もネット上でダウンロードした音楽も、著作権が関わってくることに変わりはありません。著作権のある音楽をBGMに使用する場合は、JASRACへの申請手続きがほぼ必要になると考えておくとよいでしょう。
この他にも様々な事例があるので、BGMを使用している店舗や施設などの経営者の方は注意が必要です。
使用料の支払いが必須となるケース
結婚式場やライブ会場、バレエ教室などを経営する場合にも、BGMが必要となることがあります。このとき、条件により著作権侵害とみなされることがあるため注意が必要です。
披露宴における楽器の演奏
結婚式の披露宴で楽器の演奏が行われる機会は多くあります。この場合は、結婚式場があらかじめ著作権管理団体と契約を済ませている場合がほとんどのため、演奏するために使用料を支払う必要はありません。しかし、新郎新婦の希望により公民館や新郎新婦の母校など、結婚式場以外の場所で披露宴を行う場合は、楽器の演奏に対して使用料の支払いが求められることがあります。
この他、新郎新婦が自分たちで編集した音楽入りのCD-Rなどを流すのもNGです。手続きを済ませていない音楽をムービーなどのBGMとして流すことで、新郎新婦はもちろん会場側も罰金を科せられる恐れがあります。
バレエやピアノの発表会で使う音楽
バレエやピアノなどの発表会において、入場料無料で非営利目的の場合は一般的に著作権使用料の支払いは必要ありません。しかし、これが入場料をとる営利目的だった場合、使用料の支払いを求められることなります。なお、作曲者の死後51年以上経過した音楽は使用料の支払いの対象外となっています。
知らなかったでは済まされない!著作権の問題
ジャンルを問わず、多くの施設で必要不可欠となっているBGM。喫茶店や美容室などを経営している方はもちろん、これから経営を始めようと考えている方も店内のBGMについてよく考えることが大切です。
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