歯医者でのBGM選定が重要な理由
歯科クリニックなどの医療機関では、なぜBGMが必要なのでしょうか。そこには人間の心理面・精神面と深い関わりがありますので、以下でBGM選定が重要な3つの理由をご紹介していきます。
音楽には精神的負担を軽くする力がある
歯医者では、治療する際にウィーンという機械音(タービン音)が鳴り響きます。患者はその音を聞くと「自分の治療も痛いのではないか」など、虫歯の治療に対する不安や恐怖を感じる傾向があります。
その際、患者の不安な気持ちや緊張感の緩和に役立つのがBGMです。BGMをかけることで、音楽によって機械音を聞こえにくくし、耳から入ってくる機械音に対する恐怖を抑制することができます。音楽を流すことで空間全体の雰囲気が良くなり、患者の気持ちをリラックスさせる効果を期待できます。
現在、音楽と精神面の関係については、アメリカの精神科医が1952年に「人間の精神面に合わせた音楽を選ぶと、その音楽の与える効果が発揮されやすくなる」という原理を発表しています。
プライバシーに配慮する効果も
歯医者などのクリニックで流れるBGMは、患者のプライバシーに配慮する側面でも重要です。
歯医者の治療室はさまざまで、個室になっているところもあれば、歯科用ユニット(治療する椅子)が何台か同じフロアに並んでいるところもあります。個室であれば、ある程度の患者のプライバシーは保たれますが、個室以外の場合はBGMがないと医師と患者の会話が丸聞こえになってしまう恐れがあります。
会話だけでなく、頬に機械が張りつく音や唾液を吸引する音、薬剤用品を注入する音などは、人によっては恥ずかしく感じたり、隣の患者にとっても迷惑に聞こえてしまう場合もあるでしょう。しかしBGMを流せば、これらの声や音にかぶせて聞こえにくくすることが可能です。この効果をマスキング効果といいます。より高いマスキング効果を期待するなら、機械音と同じ周波数のBGMを選ぶことや、機械音が緩和されるような適度な音量に設定することが重要です。
音楽があると医師も集中できる
BGMを流すことは患者のみならず、医師にとってもメリットがあります。たとえば、患者が緊張状態にあると、なかなか口を開いてくれなかったり、力が入ったりして薬剤用品が注入できにくい状況になったり、治療が大変になります。
そのような場合は音楽によって患者の気持ちをリラックスさせると、体のこわばりも緩和されて治療しやすくなります。また音楽には集中力を高める効果もあるため、医師が集中できそうなBGMを選べば治療を効率的に進められるでしょう。
【シーン別】歯医者でおすすめのBGM
歯医者には待合室や診療室など部屋がいくつかあり、来院する年齢層も異なるため、どのようなBGMを選べばよいのか迷う方もいるかもしれません。
ここからはシーン別におすすめのBGMをご紹介します。BGMを使い分けて、患者の精神面を上手にコントロールしましょう。
待合室でのおすすめBGM
歯医者の待合室で自分の名前が呼ばれるのを待つときに、緊張してしまう人も多いのではないでしょうか。その緊張は、これから受ける治療に対する恐怖心から生まれるものです。
歯医者や病院などの待合室では、このような恐怖心をなくし、リラックスして待っていただけるような空間づくりを意識する必要があります。そのような空間にするには、ゆったりとしたクラシック音楽やヒーリング音楽がおすすめです。
クラシック音楽であれば、とくにピアノやヴァイオリン、ギターといった単独の楽器を使った楽曲や小編成の楽曲が気分を落ち着かせるのに効果的です。なかでも規則的で安心感を得ることができるモーツァルトの音楽は、癒し効果が高いといわれています。
もし歯医者で流れるクラシック音楽が雰囲気に合わなかったり、かたぐるしさを感じたりするようでしたら、クラシック音楽と同じようなα波(リラックス時に現れる脳波)をだすヒーリング音楽を流してみるのもおすすめです。
診察室でおすすめのBGM
歯医者や病院などの診察室は、患者がとても緊張する場所です。歯科用ユニットにおかけになって座っているあいだは、緊張で体がこわばってしまう人もいます。
音楽療法業界では「音楽には鎮痛効果が期待できる」ということが言われています。なかでもクラシックで、なおかつ脈拍と同じテンポの60~72の楽曲を選ぶと、より鎮痛効果を期待できるようです。なぜ、このテンポがおすすめかというと、痛みを感じさせるホルモン「プロスタグランジン」の分泌をおさえる効果があるからです。起伏の激しい楽曲よりも、常に一定のテンポで変化の少ない楽曲が心を落ち着かせてくれます。
子どもの患者が多いときのおすすめBGM
歯医者のなかには、子どもの治療に特化した小児歯科を専門にしているところもあります。子どもにとって、歯医者で流れるクラシックはあまりなじみのない音楽かもしれません。
子どもの場合は、よく知っている童謡やアニメの楽曲などのオルゴールバージョンがおすすめです。オルゴールの音色も、クラシックと同様にリラックス効果があるとされており、痛みの緩和を期待できます。
歯医者でBGMを流す際は「著作権」に気をつける
音楽には著作権があり、無断で使用すると著作権の侵害にあたります。歯医者で市販のCDや録音した楽曲を流すことも、その例外ではありません。ここからは、歯医者でBGMを流す際の注意点や、著作権侵害にならないようにする方法をご紹介します。
自分で所有しているBGMを流すときは注意!
自身で所有しているCDを使ってBGMを流すだけなら、歯科医はJASRACのBGM使用料免除業種なので申請の必要はありません。しかし複製して流す場合は私的利用の範囲外となり、著作権申請をおこなう必要があります。複製の場合はレコード会社の許諾も必要となるので注意しましょう。
JASRACなどの著作権管理事業者に関する申請については、書面もしくはオンラインでアクセスしてきちんと申請することが必要となります。オンラインなどの申請から受理までは約2週間ほどかかるため、BGMを利用したい場合は余裕をもって手続きをおこないましょう。
BGMの有料サービスを利用すれば著作権を気にせずに使える!
歯医者でBGMを流すとき、BGMの有料サービスを利用すれば個人で楽曲の著作権処理をおこなう必要はありません。有料サービスのひとつに、USENが提供する「OTORAKU -音・楽-」があります。楽曲の著作権申請に必要な手続きや支払いは「OTORAKU」がすべて代行しているため、安心して歯医者のBGMとして使用できます。
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そのほか便利な機能も搭載しており、指定時間でプレイリストを自動切り替えすることができるので、時間帯にぴったりなBGMを手間なく忘れずに切り換えて再生できます。ラジオや感染予防にむけた注意喚起アナウンスも流すことができるので、社会状況に合わせてBGMを活用することが可能です。
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