音楽と脳の関係性。重要な鍵を握るのは大脳辺縁系
音楽には、人間の感情を強く揺さぶる力があります。これには、人間の脳に存在する大脳辺縁系と呼ばれる器官が深く関わっています。大脳辺縁系とは、情動の表出や本能、睡眠などを司る、生きていく上で非常に大切な器官です。大脳辺縁系の中にはドーパミンやβエンドルフィンなどの神経伝達物質が存在しており、人間が快楽や感動といった感情を抱く時に重要な役割を担っています。好きな音楽を聞いたときに心地よさを感じるのは、大脳辺縁系でドーパミンやβエンドルフィンが分泌されているからなのです。
大脳辺縁系は、記憶の活動にも関与しています。大脳辺縁系の中には記憶をつかさどる"海馬"があり、聞いたことのある楽曲を再び聞いたときに、その楽曲と関係の深い記憶を呼び覚ますことができると言われています。これはお店の空間演出にも活用することができます。
例えば、季節やイベントを感じるBGMを流すことでお客様は気持ちが盛り上がり、普段よりも楽しい時間を過ごすことができるかもしれません。また、お店でよく流しているジャンルの楽曲をお客様が店外で聞いた時、お店で過ごした心地よさも一緒に思い出され、「あのお店にまた行ってみようかな」と来店へつながるかもしれません。このように、人の心を揺さぶる力のある音楽は、店舗にとって顧客満足度をアップし、集客をうながす効果があると言えるでしょう。
BGMで売上アップ!イベントに合ったBGMを流すメリット
音楽が人々に与える影響は、非常に大きいものです。では、イベントに合ったBGMを流すことで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。
イベントのムードをより高めることができる
人間は、空間演出の一環として流れている音楽の影響を受けやすいといわれています。いくら店舗の内装に力を入れていたり、サービスが素晴らしくても、音楽が流れていなかったり、または流れているBGMが内装とミスマッチであれば、人は物足りなさを感じてしまうものです。
例えば、BGMが一切流れていない、ハロウィンの飾り付けが施されたおしゃれな店内をイメージしてみてください。華やかでポップな飾り付けもオレンジ色の店内も、どこか寂しく感じてしまうのではないでしょうか。
ハロウィン時期であれば、ハロウィンにちなんだ楽曲のインストゥルメントやハロウィンに関連する映画のサントラなどをBGMとして流すことで、空間に統一感を持たせることができ、イベントらしさをより強く演出することができます。これは"共鳴現象"といい、視覚と聴覚の感覚がマッチして初めて引き起こされます。この現象を利用すれば、お客様のイベント気分をより盛り上げることができます。
お客様の購買意欲を刺激することができる
BGMは、お客様の購買行動を大きく左右するものです。これを証明するものとして、某スーパーマーケットで行われた実験事例をご紹介します。そのスーパーマーケットでは、フランス産のワインとドイツ産のワインを販売していました。あるとき、日ごとにBGMを変えるという実験を行ったところ、フランスの音楽をBGMにした日はフランス産ワインの売上が伸び、ドイツの音楽をBGMにした日はドイツ産ワインの売上が伸びるという結果が出たそうです。
上記の実験結果からも分かるように、お店のコンセプトや内装、売りたい商品のイメージに合わせたBGMを流すことで、お客様の購買意欲を効果的に高めることができます。イベント時においては、そのイベントに合った商品の販売を促進したい場合に効果的です。例えば、クリスマス時期に店舗の内装とBGMをクリスマス仕様に変えることで、クリスマスツリーやリース、クリスマスケーキなどの関連商品の売上アップが期待できます。
季節ごとのイベント一覧とBGMの選び方
上記では分かりやすいイベントとしてクリスマスを例にあげましたが、季節のイベントは他にもたくさんあります。代表的な季節のイベントを表にまとめましたので、企画の立案やBGM選びにぜひお役立てください。
1月 | 正月 成人式 小正月 |
---|---|
2月 | 節分 バレンタインデー |
3月 | ひなまつり ホワイトデー お彼岸 |
4月 | お花見 清明 新生活 |
5月 | ゴールデンウィーク 子どもの日 母の日 |
6月 | 父の日 梅雨 ジューンブライド |
7月 | 山開き・海開き 七夕 7月盆 海の日 |
8月 | 花火の日 山の日 8月盆 夏フェス |
9月 | お彼岸 食欲の秋 敬老の日 秋の夜長 動物愛護週間 十五夜 |
10月 | 体育の日 ハロウィン 読書週間 |
11月 | 文化の日 七五三 勤労感謝の日 |
12月 | クリスマス 年末年始 紅白歌合戦 大晦日 |
特定のBGMが想像しにくいイベントも含んでいますが、お客様の購買意欲を高める相乗効果を期待するのであれば、商品の陳列や内装の工夫、特別メニューの提供なども有効です。BGMも含めて、イベントのムードを高める総合的な企画を立てましょう。
BGMを選びやすいイベントとしては、正月やバレンタインデー、夏の各種イベント、ハロウィン、クリスマスなどがあげられます。これらのイベントを題材にした楽曲は多くあるため、BGMとして積極的に流し活用すると効果的です。
イベントごとにBGMを設定するのが困難な場合は、季節感のあるBGMを選曲しましょう。春には春の曲、夏には夏の曲と使い分けてBGMを流すことで、その季節に合った雰囲気を演出することができます。
定番のイベントであれば、各イベントにまつわる楽曲を集めたオムニバスCD・プレイリストが販売・配信されていることも多いため、それらを活用するのもひとつの手段です。ただし、お店のBGMにCDなどを活用したり自身で楽曲を集めてBGMとして流す場合は、著作権者に使用許可を取らなければならないため注意しましょう。「著作権がない」と言われることのあるクラシック音楽にも注意が必要で、著作権者が亡くなって50年を超えていなければ著作権は保護されたままです。
なお、煩雑な著作権処理を必要とせずにBGMを流す手段もいくつかあります。例えば、個人でWEB上に公開している「商用フリー」のBGMや、すでに著作権処理が終わっているBGM配信アプリなどです。BGM配信アプリについては、後述でご紹介します。
イベントに合わせたBGMを店内に流しながら、さらに売上アップを図りたいのであれば、BGMのテンポに注目してみてください。
テンポの速いBGMを流していると、お客様の体感スピードは速くなります。その結果行動のスピードも速くなり、回転率が高くなります。混雑している時間帯にテンポの速いBGMを流せば回転率が上がり、多くのお客様を取り込むことが可能です。
反対にテンポの遅いBGMを流していると、体感スピードは遅くなります。この場合は滞在時間が長くなり、客単価が上がります。小売店や飲食店など、多くの業種に当てはまるため、売上を上げたい時間帯にはテンポの遅いBGMを流すのがおすすめです。
テンポ以外にも、音楽のジャンルでBGMを決める方法もあります。例えば、ポップスやクラシック、ジャズは売上アップの見込めるBGMだとされているため、どのようなBGMを選べばいいか迷ったら、これらの中から選ぶのもおすすめです。イベント感のあるBGMの中にはジャズアレンジがなされたタイプなどもあり、シーンに合わせて使い分けが可能です。
ただし、BGMは店舗に合ったものを流すのが基本であることを忘れてはいけません。客単価を上げたいからといってポップ色の強い店内でテンポの遅いBGMを流すのは違和感がありますし、クリスマスの時期にクリスマスソングを流しても関連商品がなければ期待以上の効果をあげることはできないでしょう。大切なのは、店舗の雰囲気に合わせた上で、イベント感を演出したりテンポを調節するなどの工夫が必要です。
音楽配信サービス「OTORAKU」の導入で、BGMの悩みゼロ
科学的にもその効果が認められる音楽。その音楽効果を最大限に発揮するには、店舗に合ったBGMを流すのはもちろん、時期やシーンにぴったりのBGMを選ぶことが重要です。
そこでおすすめなのが、音楽配信サービス「OTORAKU -音・楽-」です。「OTORAKU」はタブレット上で操作を行う定額制BGMアプリで、国内外を問わず豊富なジャンルの楽曲から、店舗にぴったりの曲を見つけることができます。もちろん、すべての楽曲が権利処理済みなので、面倒な手続きも必要ありません。
BGMのノウハウを凝縮した350以上のプレイリストの中は、イベントを盛り上げる楽曲も取り揃えています。季節やイベントの先取りも踏まえながら、その時期に流すと効果的なプレイリストを随時配信しているので、活用しやすく便利です。選べる音楽ジャンルは豊富で、季節やイメージからも探せるので、クリスマスなど定番のイベントをテーマにしたBGMはもちろん、例えば、正月の時期には琴などの和楽器が奏でる楽曲をあつめたプレイリストを流して、和の凛とした雰囲気を演出することもできます。
「お客様のイベント気分を盛り上げたい」「店舗の内装にぴったりのBGMを流したい」という方は、手軽に導入できる音楽アプリで、よりBGMにこだわってはいかがでしょうか。