三拍子と日本の音楽
まずは三拍子の音楽のご紹介と、日本の音楽における三拍子についてお話します。
三拍子とは?
音楽には「二拍子」「三拍子」「四拍子」などの種類があり、それぞれ拍の強弱の組み合わせを意味しています。三拍子とは「強・弱・弱」の3つの拍の組み合わせを繰り返している音楽です。二拍子であれば2つの拍を、四拍子であれば4つの拍を組み合わせた音楽であると言えます。
日本の音楽に三拍子は少ない?
世界的に見ると一般的な三拍子ですが、日本では四拍子の音楽が多く、三拍子の音楽は稀と言えます。
明治以前の曲には三拍子の音楽はほとんどなく、現在でもよく耳にする音楽はほぼ四拍子です。そのため日本人は三拍子の曲に馴染みがなく、三拍子のリズムをとるのが苦手だとも言われています。
日本に三拍子の音楽が少ないのは、抑揚がなくリズム感があまりない「日本語」に起因しているとも言われています。
多くの方が口にしたことがあるであろう「こいのぼり」や「ぞうさん」は三拍子です。このように日本の童謡には三拍子のものもありますが、これら三拍子の童謡は日本の伝統音楽ではなく、西洋音楽に影響された曲です。このことから、いかに日本人が三拍子に馴染みがなかったのかがわかるでしょう。
三拍子の音楽が創り出す雰囲気とは?
日本では珍しいと言われる三拍子ですが、三拍子の音楽にはどのような効果があるのでしょうか。ここでは三拍子の音楽が創り出す雰囲気についてご紹介します。
三拍子の音楽はリラックスを生む?
音楽には副交感神経を優位に働かせ、リラックス状態を生み出す効果があります。なかでも三拍子の音楽は、二拍子・四拍子の音楽に比べてリラックス効果が強いとされています。一説には「心臓のリズムが三拍子だから、三拍子を聞くとリラックスする」という考えもあるようです。
具体的に広く知られている三拍子の曲についてご紹介すると、バッハの作品があげられます。彼は三拍子の曲をつくるのが得意とされていました。彼の代表作「ゴルトベルク変奏曲」を聞くとリラックスした気分になるのは、三拍子であることがひとつの要因と言われています。また、身近な三拍子の曲には、誰もが知る「ハッピーバースデー」もあります。
三拍子音楽のBGM効果
「三拍子の音楽は心臓の鼓動と同じため、リラックス効果がある」ということがわかりましたが、ここでは、BGMに活用することで具体的にどのような効果が得られるのかご紹介します。三拍子の音楽はリラックスしたい時に安らぎを与えてくれるだけでなく、テンポを速めると軽快さもプラスされるため、作業効率のアップも期待できます。
三拍子の音楽の中でも、目的によって効果を発揮する曲は異なります。ストレスを軽減したい時におすすめしたいのはヨハン・シュトラウスの「春の声」や「美しく青きドナウ」といった楽曲です。アップテンポで軽快さを感じさせ、思わず踊りたくなるような雰囲気をもっています。
一方で静かな環境で集中したい場合にはバッハの「メヌエット」のような曲がおすすめです。少し遅めのテンポが心を落ち着かせ、作業に集中させてくれるでしょう。
日本では三拍子の曲を耳にする機会が少ないため、意識的に三拍子の曲をBGMにする方は多くないかもしれません。ですが、これまでBGMに四拍子の曲を流していた方も、三拍子の曲を織り交ぜることで、これまでにないリラックス空間や集中できる環境をつくることができるでしょう
閉店を知らせるあの音楽も三拍子?
閉店間際のデパートなどでよく耳にする曲も三拍子です。学校で習う「蛍の光」だと思っている方も多いかもしれませんが、実は「別れのワルツ」という曲です。どちらも「オールド・ラング・サイン」という曲からアレンジされたため、大変似ていますが別の曲です。
閉店間際に「別れのワルツ」を流すのは、リラックス効果を狙ってのことではありません。前述の通り日本には四拍子調の音楽が多く、自然とBGMに流れる音楽も四拍子の音楽が多くなります。そこで閉店間際にあまりなじみのない三拍子の別れのワルツを流すことで、店内にいる顧客に違和感をもたらすことができるのです。それまでと大きく違う曲調を耳にすることで、そろそろ帰宅の時間であることを意識づける効果があります。
※閉店に用いられる音楽、「蛍の光」「別れのワルツ」についてより詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。
閉店の定番BGMは「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」という曲だった
まとめ
三拍子の楽曲には四拍子に比べてリラックス効果が強い特徴がありますが、決して三拍子が優れていて、四拍子が劣っているということではありません。しかし、どんなBGMを流せばどんな雰囲気になるのか、そしてどんな効果があるのかを知っておけば、効果的にBGMを活用できるでしょう。BGMの選曲をされている方は、プレイリストのなかに意識的に三拍子の楽曲を織り交ぜてみるのもよいでしょう。
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