シャンソンは心を揺さぶる一遍の短いドラマ
シャンソンはフランス語で歌われている曲のことであり、日本でいう歌謡曲にあたります。歌や小唄という意味を持ち、元は教会の修道士や司祭が親しみやすい伝統歌を作ろうと思い立ったのが始まり。世界最古のシャンソンは881年に歌われた「聖女ウーラリーの物語」で、中世になると街の至るところで吟遊詩人が自作のシャンソンを披露していました。パリがフランスの中心都市へと発展したルネサンス期にはシャンソンの主権が教会から民衆の手に移り、恋愛や時事風刺、エスプリの効いた楽曲を歌う職業としての"シャンソン歌手"が登場しました。
シャンソンは、大人の女性のような妖艶な色気とどこか物憂げな印象が特徴的な音楽。その一方で、少女のように可憐で明るい曲調の楽曲があったり、軽やかに歌い上げる楽曲があったりと、まるで女性の二面性を垣間見ているかのような印象を受けます。
曲よりも歌詞が重要視されることが多く、物語性を含む楽曲が多く登場することも特徴のひとつで、"一遍の短いドラマ"と称されるほど情緒があり、時に激しく時に切なく歌い上げるさまはとてもロマンティック。「クゥプレ」というストーリーと、「ルフラン」という繰り返しで構成されており、日常生活で使われる言葉や隠語を交えて綴られています。
シャンソンの世界では多くの名曲が様々な言語に訳されており、世界中のシャンソン歌手に歌い継がれています。それは、声音や音楽的な正確さより"歌をどう解釈するのか"、"どのような表現で聞き手に語りかけるのか"が評価ポイントとなっているためです。歌い手にとっては感情を込めて自分の持つ最大限の表現力を出し切るために、聞き手にとっては内容をストレートに理解できるように、その国の言葉に訳されているのです。
シャンソンがこれほどまでに深みのある歌となっている一因は、発祥の地の言語でもあるフランス語。フランス語は語彙が豊富で、日本語と同じようにひとつの物事を表現する単語の種類が豊富です。さらに形容詞も膨大なので、些細な感情の変化や繊細な心情を細かく歌い上げることができるのです。
シャンソンのテーマとそれぞれの魅力について
ひと言でシャンソンと言ってもテーマは幅広く、曲の成り立ちや構成、取り扱うテーマなどによっていくつかの種類に分けられています。
シャンソン・ポピュレール
"民衆の歌"という意味。ポピュラーソングと同様に流行りの歌を指すこともありますが、シャンソン史においては読み人知らずの民謡を指すこともあります。
シャンソン・サヴァント
"学識あるシャンソン"または"高級なシャンソン"という意味。シャンソン・ポピュレールとは違い、作者の明確な楽曲を指します。恋の歌が多く、曲も芸術的であり、近代シャンソンの発達をうながした一因でもあります。
シャンソン・リテレール
"文学的シャンソン"という意味。シャンソン・サヴァントと同様に作者が明確になっている楽曲という意味でも用いられますが、一般的には詩人の詩に作曲家が曲を付けた作品のことを指します。
シャンソン・レアリスト
"現実的シャンソン"という意味。恋をテーマにしたものが多くみられます。物語をドラマティックに展開させることで、現実の庶民生活のダークな部分をリアリスティックに描いています。主人公に取り上げられるのは娼婦や兵士、船乗りなどで、ドラマの舞台になるのは下町や港などが多くみられます。
ロマンス
元は中世の吟遊詩人が歌った感傷的な長編物語。その後、少しずつ甘く優しい歌をロマンスと呼ぶようになり、楽器を使用する楽曲にも使用されました。19世紀に作られた「さくらんぼの実る頃」をはじめ、現代のシャンソンにもロマンスに含まれる楽曲が多くみられます。
これらの他にも愛や空想、政治や職業、騎士や王の武勲を讃えたものなど、様々なシャンソンがあります。
シャンソンをBGMにするメリット
シャンソンをBGMに使用すれば、下記のメリットを得られます。
深みのあるムードを演出
愛や恋を歌う甘く切ないシャンソンBGMはムードのある空間を演出できる他、ラグジュアリーな印象を与えることが可能です。
リラックスできる空間作りに役立つ
軽やかで明るい曲調のシャンソンBGMはカジュアルさを演出できる他、お客様がリラックスできる空間を作ることができます。
時間帯によって多彩な選曲が可能
シャンソンは楽曲ごとに印象が異なるため、昼はさわやかで軽快な楽曲、夜は大人っぽいムーディーな楽曲など時間帯などに合わせてBGMを選曲できます。
非日常感をプラス
物語性のあるロマンティックな楽曲が多いため、フランス料理店での食事という特別感のあるひと時にさらに非日常感をプラスすることができます。
フランス料理店には、フランスで生まれたシャンソンがよくなじみます。フランスを感じさせるシャンソンは、お客様の舌だけでなく、心をも満足させることができる最高のBGMになるはずです。
フランス料理店にはシャンソンが鉄板
シャンソンをBGMとして取り入れることで、フランスのおしゃれな雰囲気をお客様に感じてもらうことができます。時間帯によって楽曲を変えたい、店舗にマッチしたシャンソンを流したいなどの希望を叶えるためには、より多くのシャンソンを使用できる環境を整えることが大切です。
株式会社 USENが運営している店舗用の音楽配信サービス「OTORAKU -音・楽-」は、シャンソンBGMのラインナップが多彩です。「シャンソンTIME」や「日本のシャンソン」などのプレイリストがある他、思いどおりにプレイリストを作成できるので、店舗の雰囲気にぴったり合うシャンソンのBGMを流すことが可能です。加えて、設置工事が不要なため導入も簡単。もちろん、著作権申請などの手間もかかりません。
店舗BGMを導入したいとお考えの方は、「OTORAKU」の利用をご検討してみてはいかがでしょうか。