ピアノが放つ音色の「ゆらぎ」に秘められた効果とは?
ピアノがもたらす音色や振動は、人を癒やし、穏やかな気持ちにしてくれます。それには、ピアノの特徴である"ゆらぎ"が関係していることをご存じでしょうか。
ピアノには、弾き手の指や手の動きによって生じる独特のゆらぎがあります。これは、ヒーリング効果の高い音として知られる波の音や川のせせらぎ、雨音や小鳥のさえずりなど自然界の音にも存在しており、人間の心拍数やロウソクの炎の揺れといった身近なものにも隠れています。これらのリズムは、一定のようでいて実は不規則。その予測できない独特のゆらぎのことを、「1/fゆらぎ」といいます。
規則的なリズムと不規則なリズムが調和した「1/fゆらぎ」は、大脳の働きを抑え、人を心地良い気分にさせます。高級ホテルのロビーやラウンジ、BARなどで、ピアノの音色を聴いたことで力が抜け、緊張がほぐれリラックスした得も知れぬ安堵に包まれた経験はないでしょうか?まさしくピアノは、人を強制的に心地良い気分にさせる魔法の楽器だともいえます。
このことから、カフェやレストラン、書店などのように、お客様がリラックスできる店舗にはピアノBGMがぴったりです。特に、ピアノで奏でたクラシック音楽は、癒やしの効果が高いといわれています。さらに、「お客様にリラックスしながら素敵な時間を楽しんでもらいたい」と願う店舗にもおすすめです。
ピアノのBGMを取り入れて、ほっと一息つける空間を作ってみてください。
他の楽器にはない、ピアノに秘められたポテンシャルとは?
ヒーリングやリラクゼーション効果のあるピアノには、他の楽器とは異なる魅力が備わっています。
音域が広く、コントロールが自由自在
ピアノには88の鍵盤があり、実に7オクターブもの音域をカバーします。そのため、たった1台でオーケストラのあらゆる楽器の音域をカバーすることができます。例えば、ピアノの高音はピッコロを凌ぎ、低音はチューバの最低音を遥かに上回るのです。
さらに、ピアノは音の強弱のコントロールにも優れている楽器です。弾き手のさじ加減で繊細な調整もできるため、音色に様々な変化をつけられます。
3つの楽器の特徴を兼ね備えている
ピアノは、鍵盤を弾くとハンマーが中の弦を叩き、振動した弦が音を出す仕組みです。打楽器のようでもあり、弦楽器のようでもあり、そのうえ鍵盤楽器の特徴も持ち合わせているため、ピアノが何楽器か知らないという方も珍しくありません。
実は、ピアノは鍵盤打楽器と呼ばれる楽器です。打音で音の強弱をコントロールし、共鳴する弦が繊細で美しい旋律を響かせ、鍵盤によって多旋律を奏でたり、音の調和を図ったりすることができます。
打楽器・弦楽器・鍵盤楽器という、3つの楽器の特徴を兼ね備えているピアノは、まさしく万能楽器といっても過言ではありません。
表現力が優れている
音は周波数の違う「正弦波」(以下、波)を足してできています。音の基準になる波のことを「基音」、その基音に対して整数倍にあたる波のことを「倍音」といい、どんな楽器でも基音を鳴らすと倍音が発生します。基音と倍音の組み合わせにより、その楽器独自の音色を奏でることができるのです。
ピアノの倍音には、非調和性の性質が備わっています。それによって主音とのズレが生じ、ピアノならではの伸びのある音が出るのです。さらに、倍音は音域によって発生数が異なっているため、演奏する音域によって音色に変化が出ます。音域の広いピアノは、楽器の中でも特にこの特性を受けやすいことから、どのようなジャンルの音楽でも豊かな表現ができるのです。
このように、ピアノの魅力は多彩です。ピアノをメインとした音楽を店舗BGMにすることで、きっとお客様の心を癒やせる素敵な店舗になるはずです。
店舗やシチュエーション別の最適なピアノBGMを紹介
ピアノのBGMといっても、クラシックから最新のJPOPまで幅広い音楽ジャンルがあります。それぞれのジャンルごとに異なった特徴があるので、店舗やシチュエーションに合わせたBGM選びが必要です。店舗やシチュエーション別にBGMを考えた場合、どのような曲がBGMに向いているのか、具体的にご紹介します。
ゆったりとしたピアノBGMはカフェや書店向き
ゆったりした曲は、静かで落ち着いた、品のある雰囲気をつくります。そのため、カフェや書店など、お客様にリラックスしてほしい店舗やお客様に商品をじっくりと探してほしい店舗におすすめです。
具体的には、「メロディがゆったりしている」「歌詞に気をとられてしまいがちな日本語の歌詞がはいっていない」「集中力を促す音楽効果がある」の3つの基準をおさえて選曲するとよいでしょう。
おすすめのゆったりしたピアノBGM
ゆったりしたピアノのBGMを選ぶなら、クラシックがおすすめです。
クラシックには、自律神経を整えて気持ちをリラックスさせる効果があります。歌詞のない楽曲も多いので、集中力も高くなります。
【おすすめ曲 1】 ショパン 「ノクターン(夜想曲)第2番」
ショパンの「夜想曲」のなかでも代表的な曲で、映画のBGMなどでもよく使われています。テンポが比較的ゆったりとした、優しい雰囲気の楽曲です。
【おすすめ曲 2】 シューマン 「トロイメライ」
非常にゆっくりとしたテンポの曲です。CMなどのBGMでもよく使われていので、耳に馴染みやすい曲です。落ち着いた雰囲気を演出するのに適しています。
アップテンポなピアノ曲が合う店舗
店舗のコンセプトによっては、アップテンポな曲やリズミカルな曲が向いている場合もあります。
テンポの速いBGMは、脳の活動を活発にします。脳の短期記憶力を活発化させるので、読解力を向上させるなどの効果が期待されます。本や資料などを読んで過ごすビジネスマンなどがよく来店する店舗や、そのような来店客が多い時間帯用のBGMとして最適です。
おすすめのアップテンポなピアノBGM
アップテンポなピアノBGMを探すなら、ジャズがおすすめです。
ジャズには、ロックやPOPSでよく使われる8ビートに比べて半分のリズムの4ビートを使用した楽曲が多くあります。テンポが速い曲でも落ち着いた雰囲気をだせるため、はつらつとしたムードの演出に向いています。曲調の変化が多いので、同じジャンルの楽曲を長い時間流していても新鮮さを感じる演出が可能です。さらに、クラシックと同じように歌詞のないBGMを探しやすいというメリットもあります。
【おすすめ曲 1】 チック・コリア 「マトリックス」
チック・コリアはカナダ出身のジャズピアニストで、ラテンやロックを取り入れたスタイルで知られています。彼が演奏するマトリックスは、軽快で緊張感のあるテンポが特徴的な曲です。
【おすすめ曲 2】 オスカー・ピーターソン・トリオ 「酒とバラの日々」
ジャズのスタンダードナンバーとして知られる曲で、多くのファンに愛されたジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンの代表曲としても有名です。軽快で明るいテンポが聞いている人を元気づけてくれます。
「OTORAKU」で癒やしの空間をプロデュース
ピアノのBGMを手軽に導入したいとお考えなら、店舗用BGMアプリ「OTORAKU -音・楽-」などの音楽配信サービスがおすすめです。
「OTORAKU」では、モバイル端末とWi-Fi環境があれば、気軽に手早く導入することができます。
音楽ジャンルが豊富で、ピアノを奏でるクラシック音楽を含むヒーリング系ミュージックも多く取り揃えており、業種や雰囲気、時間帯などのカテゴリからプレイリストを選べるので、誰でも簡単にお店にぴったりのBGMを流すことができます。
「リラックスできる店舗にしたい」「癒やしの空間を演出したい」などとお考え方は、ピアノのBGMを選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ピアノBGMは、豊かな表現力と音色に込められた「1/fゆらぎ」の効果で、落ち着いた雰囲気を演出できます。また、ゆったりとした曲から軽快なテンポの曲まで、幅広く選べることも強みです。店舗ごとのコンセプトや時間帯などのシチュエーションに応じて使い分けができるので、店舗のBGM選びでお悩みの方は、ぜひピアノをメインにしたBGMを取り入れてみてはいかがでしょうか。お客様により心地よく過ごしてもらえる店舗を目指しましょう。