オルゴールのルーツは時計塔?オルゴールが身近な存在になるまで
オルゴールが奏でる独特の音色は、日本でも広く親しまれています。店舗BGMとしてもぴったりのオルゴールは、どのようにして身近な存在になったのでしょうか。
オルゴールが初めて登場したといわれているのは、18世紀末のスイス。
しかしそのルーツをもっとさかのぼると、中世ヨーロッパで広く使われていた時計塔―そこに組み込まれた鐘、「カリヨン」が原型だとされています。カリヨンは時計の針に合わせて鐘の部分も連動し、時計塔から多くの人々に時刻を知らせていたと伝えられています。そのカリヨンが最初に登場したのは、14世紀頃のベルギーだとされています。
技術の進歩により機構が小型化し、ピンを弾くことで音楽を奏でるという、今もよく知られているスタイルに進化します。その後、時計の一部としてではなく純粋に音楽を楽しみたいという要望が高まり、1796年、スイスの時計職人アントワーヌ・ファーブルによって最初のオルゴールが発表されました。19世紀後半に蓄音機が発明されるまで、オルゴールは唯一の自動演奏装置として人々に音楽を広め、音楽の楽しさを提供し続けました。
日本にオルゴールが入ってきたのは、江戸時代末期のことです。オルゴールはオランダから持ち込まれ、その美しい音色が人々の心を打ち、広く流行したとされています。
その後、一時は世界的に産業としての危機まで迎えたオルゴールですが、第二次世界大戦後に需要が回復。日本のメーカーも市場に参戦し、世界シェアを大きく伸ばして、オルゴールの再普及に貢献しました。
そして現在、デジタルオーディオの台頭により、オルゴールの音色は有線放送や音楽配信サービスを通して気軽に聞けるようになっています。
オルゴールの種類と音色に秘められた魅力
金属のピンが振動板を弾き、他にはない独特の音色を醸し出すオルゴール。美しく、シンプルな響きは店舗BGMとしてもぴったりです。
そんなオルゴールには、主にふたつのタイプがあります。ひとつは「シリンダーオルゴール」と呼ばれているもので、1796年に開発されて現在も広く知られているタイプで、シリンダーに取り付けられたピンが回転によって振動板を弾き、音楽を奏でます。
もうひとつは、19世紀後半にドイツで発明された「ディスクオルゴール」で、回転する部分が筒状から円盤に変わっています。円盤についた突起が爪車を回し、爪車が振動板を弾くという仕組みで、円盤を入れ替えることで曲を変えることが可能です。
また、音数によってもオルゴールの種類を分けることができます。オルゴールの音数は振動板の数で決まり、振動板が多いほど低い音から高い音まで幅広い表現が可能になります。
18の音数をもつオルゴールは、安価で広く普及しているタイプです。多くは、ぬいぐるみや絵本など、他のアイテムの一部として使用されています。72以上の音数を持つオルゴールは、幅広い周波数によるヒーリング効果があるとされており、オルゴール療法として活用されています。
聞く人に癒やしをもたらすオルゴールのヒーリング効果について、次の項目で詳しくご紹介します。
オルゴールのもつヒーリング効果
オルゴールの音色には人間の聴力では捉えることができない、超低周波や超高周波の音が含まれています。この超低周波や超高周波の音は、鳥のさえずり、木々のゆらぎ、川のせせらぎが発している音にも含まれているもので、人の脳に作用し、人体に良い影響をもたらすと言われています。
一方、都会における普段の生活の中で、これら自然の音に触れる機会は少ないと言えます。そこで、身近でこの超低周波音や超高周波音に触れられるものとして注目されているのが、オルゴールなのです。
オルゴールが発するこれらの音には、人間の脳を直接刺激し、心臓をはじめとする内蔵の働きを活性化し、全身の血流を促進する効果があるとされています。またその他にも、オルゴールがもつヒーリング効果によって、認知症予防や健康増進に役立つ効果が期待されており、一部の医療機関ではオルゴール療法が取り入れられているなど、予防医療の分野で今高い注目を浴びています。
オルゴールの癒やし効果を店舗に取り入れる
72以上の音数の多いオルゴールが医療に活用されていることからも分かるように、オルゴールの音色にはリラックス効果があるとされ、現在でもその効果を求めた様々な場所で活用されています。例として挙げられるのは、リラクゼーションサロン、エステサロンや病院の待合室など。副交感神経が刺激されて、リラックス効果をさらに高めることができます。
例えば病院の待合室では、来院患者は病気に不安を抱え緊張しがちな状態にあると想像できます。そこで、オルゴールのもつリラックス効果を活用すれば、その不安や緊張を和らげることが期待できます。また、シンプルな金属音だけで構成されるオルゴールの音色は飽きにくく、ふと耳に入れば退屈を紛らわすちょうどいいBGMとしても機能します。
リラクゼーションサロンやエステサロンにおいては、顧客は日々の疲れを癒やしに来店します。上記で述べた通り、オルゴールには血行促進効果があるとされているため、リラクゼーションサロンやエステサロンのように、副交感神経を刺激してリラックス効果を促すマッサージ施術を行う業種との相性は良いと言えます。リラックス効果の高いオルゴール音楽をBGMとして流すことによって、マッサージによる身体的効果と、オルゴールBGMによる精神的効果が相互に機能し、顧客のリラックス効果をより高め、満足度の向上にも繋がることが期待できます。
なお、オルゴール音楽を流す上で、おすすめの曲は「パッヘルベルのカノン」です。オルゴール療法においても、定番の曲とされています。その他、クラシック音楽の多くにヒーリング効果があるといわれていることから、流す音楽に困った際には、オルゴール化されたクラシック音楽を積極的にBGMとして取り入れてみるのはいかがでしょうか。
またクラシック音楽以外では、流行りのJ-POPなどもオルゴール化されています。店舗の雰囲気や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
店舗BGMサービスで手軽にオルゴールミュージックを♪
エステサロンや医療機関のBGMとしておすすめのオルゴールですが、高いヒーリング効果が期待できる72音以上のオルゴールは値段も高価です。かといって、安価な18音のオルゴールだと十分なヒーリング効果は期待できず、音色としての印象も少し物足りないかもしれません。また流したいと思っている曲が、オルゴールとして販売されていない可能性も十分に考えられます。
そこで、BGMにオルゴールを採用するなら、デジタルオーディオ化された音楽を活用してみるのはいかがでしょうか。
デジタルオーディオが進歩することで、現在では様々な楽曲がオルゴールの音色に変換され、人々に親しまれています。基本的には演奏時間に限りのあるオルゴールですが、音楽データにはその縛りがなく、店舗BGMにも活用することができます。
様々なオルゴールミュージックを集めたCDも多数販売されていますが、著作権関係の申請の手間もなく、幅広いBGMを使用したいのであれば、音楽配信サービス「OTORAKU -音楽-」の利用がおすすめです。
「OTORAKU」では、音楽ジャンルや業種などから店舗イメージに合ったBGMを選べます。オルゴールミュージックのプレイリストを店舗BGMとして使用したい場合には、ジャンルからは「HEALING」、業種からは「美容」「リラクゼーション」や「クリニック」で検索することも可能。お客様に安らぎの空間を届けるためのBGMとして、質の高いオルゴールのプレイリストを活用できます。
オルゴールの音色で癒やしの空間づくり
親しみのある、優しい音色で、落ち着いた空間を演出できるオルゴールミュージック。ただ聞いて心地よいだけでなく、一部ではオルゴール療法として取り入れられているほどヒーリング効果にも期待ができます。少しでも緊張を和らげ、リラックスできる空間を提供したいリラクゼーションサロンやエステサロン、医療機関においては、待合室や施術スペースのBGMにぴったりです。
お客様が安心して過ごせる空間や雰囲気づくりに、ぜひご活用ください。